お肌や頭皮、髪の毛など、全身に使える化粧水として、また食用としても注目される「ローズウォーター」。
ローズウォーターとは、バラの精油(アロマ)をつくるときに生成される芳香蒸留水で、古くからその美容効果が期待されてきました。
しかし、国内ではまだまだ馴染みが薄く、それぞれの製品にどのような違いがあるのか分からないといった声も多いです。
一方で、肌が弱くトラブルが起きやすい筆者にとって、「ローズウォーター」は手放せないアイテムになっています。
そこで本記事では、「ローズウォーター」とはいったい何なのか?その効果や使い方、デメリットを徹底解説!
さらに、おすすめのローズウォーターや、他社製品との比較も紹介します。
この内容を知れば、ローズウォーターの意外な活用法や魅力がわかるだけでなく、購入時に気をつけたいポイントも見えてくるはずです。

ローズウォーターは「芳香蒸留水」

ローズウォーターとは、バラの花びらが原料の精油(エッセンシャルオイル)の製造過程で得られる「芳香蒸留水(フローラルウォーター)」のこと。
バラの精油を水蒸気蒸留法で抽出すると、「オイル」と「液体」に分かれるのですが、この液体部分がローズウォーターです。

精油製造で得られる副産物!


精油は、基本的に香りを楽しむもので、希釈しない限り肌につけることはできません。
一方、ローズウォーターは香りこそ穏やかですが、そのまま全身に使うことができ、
バラ由来の成分を含んでいるため、さまざまな美容効果が期待できる実用的なアイテムです。
また、イランやインド、トルコ、中東諸国では、ローズウォーターをお菓子や飲み物の“香りづけ”に使う文化があり、食用としても親しまれています。




現在は香水に用いられる精油のバラ油を製造する際の副産物として作られる。
引用:バラ水
ローズウォーターの効果って?


ローズウォーターは、バラの花びらを水蒸気蒸留することで得られる天然の芳香水です。
原料のローズには多くの種類がありますが、一般的にローズウォーターが得られるのは、「ダマスクローズ(Rosa damascena))」という品種であり、
そのダマスクローズから水蒸気蒸留法で得られる精油(ローズオットー)と同じような成分が、ローズウォーターにも含まれています。


ローズウォーターの主な芳香成分は、フェネチルアルコール、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロールなどがあり、
香りによるリラックス効果だけでなく、肌を清浄に保ち、引き締めたり、ほてりを鎮めたりするなど、さまざまな効果が期待されています。
また、保湿や肌のコンディションを整える目的でも、化粧水やミストとして広く活用されています。
2000年以降ローズに関する研究報告が増加しており、抗菌・抗真菌作用、抗炎症作用、抗ストレス作用、女性ホルモンに対する作用、抗酸化作用、皮膚バリアに対する作用、抗腫瘍作用等が報告されている。
引用:ローズの薬理作用
●天然のバラが持つ抗菌性を生かした肌にやさしいローションです。
引用:製品について
● お肌を清浄にし、引き締め、潤いを与えます。
● 冷却効果もあり、紫外線を受け日焼けした肌と髪を冷やします。



季節の変わり目などストレス肌にもおすすめ!
ローズウォーターのデメリット


ローズウォーターは、香りによるリラックス効果や多くの美容効果が期待できるうえに、
作用が穏やかで幅広い肌質の方に使いやすいといった利点があります。
ただし一方で、いくつか注意すべきデメリットも存在します。
ここでは、ローズウォーターの種類や品質、購入前に知っておきたいポイントについてまとめました。
- 食用と化粧品用があって選びにくい
- 混ぜ物が含まれている製品がある
- 香りが弱い
- 保湿力が弱い
- 販売店が限られている
食用と化粧品用の違い


ローズウォーターには、飲み物や料理に使える「食品」として販売されているものと、スキンケア用の「化粧品」として販売されているものがあります。
そのため購入する際には、どちらの用途を目的とした製品なのか、しっかり確認することが大切です。
また、食用グレードのローズウォーターでも蒸留水100%の製品であれば、スキンケアとしても使用できる場合があります。
ただし、食用のローズウォーターは、化粧品用に比べて賞味期限が短く設定されていることがあるため、まとめ買いをする際には注意が必要です。
ちなみに、食用として使えるKey Brandの『ローズウォーター』は、1年くらいの賞味期限ものが多いです。






混ぜ物のないローズウォーター


市販のローズウォーターには、天然由来の「芳香蒸留水」だけでなく、防腐剤や香料などが含まれている場合もあります。
そのため購入する際は、成分表示に「バラ花水」や「ローズウォーター」とだけ記載されているかを確認し、
他の添加物が入っていないかもチェックしましょう。
とくに、肌が敏感な方、家族でシェアしたい場合は、このような無添加タイプの製品がおすすめです。






香りが弱い


ローズウォーターの香りは、精油(エッセンシェルオイル)とは違い、わずかに香る程度です。
使用しているときに、やさしく香りますが、すぐに空気中に溶け込みます。
そのため、香水のようにしっかりと香らせたいと思っていた方には、やや物足りなく感じるかもしれません。
逆にいえば、強い香りが周囲に残らないため、外出先でも使いやすいという点ではメリットですが、
天然の香りをメインで楽しみたいなら、精油(エッセンシャルオイル)の方が適しています。


保湿力が弱い


ローズウォーターは非常にすっきりとした使用感で、べたつきません。
ただし保湿力は弱めのため、これだけでは物足りなく感じる方が多いかもしれません。
そのため、どちらかと言えばお風呂上がりの一時的なケアや導入化粧水としての使用、
また、冷却作用を生かして、紫外線を浴びたあとのほてった肌のケアに適しています。
メインの化粧水として使う場合は、使用後にオイルやクリームなどで油分を補い、しっかりと保湿を行いましょう。


ローズウォーターはどこで買える?


ローズウォーターの原料となる「ダマスクローズ」の主な原産地は、ブルガリア、トルコ、モロッコなどであり、
日本ではまだまだ馴染みが薄く、取り扱いショップも限られてきます。
市販では雑貨屋、ドラックストア、輸入食品のお店などで取り扱いがありますが、数はそこまで多くありません。
通販なら、“Amazon”や“楽天市場”といった大手通販サイトや、
“iHerb(アイハーブ)
全身に使える化粧水ですので気になった方は、ぜひ試してみてください。




おすすめローズウォーター2選!


おすすめの「ローズウォーター」を2つ紹介します。
どちらも、天然100%の芳香蒸留水。一つ目は化粧品として販売されているブルガリア産のローズウォーター。
二つ目はインド産で食用グレードのローズウォーターです。
ブルガリアローズジャパン・ダマスクローズウォーター


ブルガリアローズジャパンの『ダマスクローズウォーター』は、顔や頭皮、髪の毛など、全身に使える化粧水です。
使われているのは、ブルガリア産の「バラの花びら」と「天然水」のみ。蒸留所からそのままボトリングされた天然100%の芳香蒸留水です。
品質基準の厳しい「ブルガリア国立バラ研究所」の認定を受けた製品で、
バラのもつ抗菌作用によって品質を保っているため、防腐剤などの余計な成分は含まれていません。
肌なじみがよく、ほどよい保湿感があるので、洗顔後やお風呂上がりにワンプシュしたり、
導入化粧水として、メインのお手入れ前に使うのにもおすすめです。
とくにローズウォータは冷却作用があるので、紫外線ダメージを受けた肌や頭皮を冷やすのにもぴったりです。



意外と少ないスプレータイプ!


ただし“香り”については、ハーブ感のある優しいアロマで、
バラをイメージとした甘い香りを想像していたなら物足りなく感じるかもしれません。



80ml・200ml・500mlの3種類!






KEY BRAND・ローズウォーター(食用)


KEY BRANDの『ローズウォーター』は、インド原産の食用・芳香蒸留水です。
食用ですが、成分は芳香蒸留水のみ。それ以外は含まれていませんので、使用感は一般的なローズ水と同じようにべたつきません。
そのため、普段の化粧水としてはもちろん、髪や頭皮、紫外線ダメージ後のほてった身体など、全身にお使いいただけます。


香りは、優しい甘みを含んだフレーバー。やや桃の香りにも似ています。
ブルガリアローズジャパンのフレッシュな香りに比べると、こちらの方がイメージ通りのバラの香りに近いかもしれません。
そのため、心地よい香りも楽しみたい方、コットンパックなどで夜のリラックスタイムに活用したい方にもおすすめです。
しかし化粧水として使うには、明らかなデメリットがあります。
それはボトルの口が大きいこと。そのまま使うと高確率でこぼします。笑


そのため、化粧品用のスプレーボトルなどに移し替えて使うのがおすすめ。価格も安いのでたっぷり使えて便利です。



お菓子や飲み物にも使える!


人気ブランドとの比較


ローズウォーターを販売しているメーカーの中から、特に人気の商品を比較してみました。
一つ目は、イタリアの有名ブランド「サンタ・マリア・ノヴェッラ」、
二つ目は、アロマ好きには有名な「生活の木」のフローラルウォーターです。
【比較1】サンタ・マリア・ノヴェッラとの違い
サンタ・マリア・ノヴェッラはイタリアの老舗ブランド。『ローズウォーター』は気品あふれる香りが魅力の化粧水です。
顔やボディなど全身に使えますが、成分を確認すると天然のみの蒸留水ではなさそうです。
水、香料、ベンジルアルコール、ソルビン酸K、クエン酸 ※配合成分は更新される場合があります。最新の情報はパッケージに記載されている内容をご確認ください。
引用:ローズウォーター
成分の中にはダマスクローズの蒸留水も含まれているようですが、ほかの香料や防腐剤も入っています。
そのためブランドが好きな方、香りをメインで楽しみたい方には適していますが、
天然バラ水の効果を試したい方、肌が弱い方やお子さんなどに使用される場合は、注意が必要です。
Qoo10:サンタマリアノヴェッラローズウォーター
コスメ通販サイト【比較2】生活の木との違い
生活の木の『ローズダマスク フローラルウォーター』は、甘く華やかな香りが特徴の化粧水。
天然の蒸留水に加えて、防腐剤としてフェノキシエタノールが含まれていますが、それ以外の成分は含まれていません。
ボトル入りのためコットンパックに使いたい場合や、手づくり化粧品の基材として使うのに便利です。
ダマスクバラ花水(ローズダマスクウォーター)、フェノキシエタノール
引用:ローズダマスク フローラルウォーター/Rose damask



100mlと200mlの2タイプ!
まとめ:天然のやさしい作用と使いやすさが魅力♪


ローズウォーターは、その多様な美容効果と使いやすさから、多くの人に愛されています。
またその豊かな香りでスキンケアをしながら、リラックス効果も得られることでしょう。
しかし市販には様々なローズウォーターが発売されていて、「芳香蒸留水」以外の成分が含まれているものも少なくありません。
本来の天然バラの効果を期待している方は、成分に「バラ水」のみが表示されている無添加の製品を選ぶのがおすすめ。
夏の紫外線によるダメージ肌、季節の変わり目の揺らぎ肌、仕事合間のリフレッシュや化粧直しなど、
多くの場面で使える、とってもおすすめのアイテムです!



